占いとか呪術が、医療や、
政治の中心にあった時代は、
結構古く、縄文時代の頃にも、
そのような儀式の形跡が、
発掘されていました。
裁判までも、そのような易学で、
重大な判決を聞けていた時代もありまして、
今では、コンプライアンス的に、
非人道的な方法なものも多かったんです。
例えば、盟神探湯(くがたち)
と言われる呪術的な裁判が有名で、
被告人となる人に、
神に潔白などを誓わせた後、
釜で沸かした熱湯の中に、
石をひとつ入れ、
被告人にその石を拾わせ、正しい者は、
神に守られているので火傷せず、
無罪放免。
罪のある者は、大火傷を負うとされ、
毒蛇を入れた壷に手を入れさせ、
正しい者は無事である、
という様式もあるそうです。
真意の方はわかりませんが、
犯人じゃなくても、無事じゃないでしょう。
普通に考えたら、誰も成功しないと思います。
まあ、真面目な人は素直なので、
その釜に手を入れようとする、
勇気があるかを見ていたんでしょうね。
それでも、ズル賢い者は、
奇術的なトリックを使って、
罪をなすりつける、
”濡れ衣”なんて言葉も、
生まれてますらか・・。
そんな呪術が、国の重要な、
政治の中心にあった時代、
陰陽師のトップスターとなる前の、
若き日の安倍晴明のお話。
『陰陽師0』
平安時代、都を呪いや災から守る、
エリート陰陽師の集団、
”陰陽寮”が政治を取り仕切っていた。
陰陽寮の学生である、
安倍晴明(山崎賢人)は、
その集団の中でも群を抜く、
呪術の天才と呼ばれていた。
権力争いや、陰陽師の試験にも、
興味のない晴明だったが、
ある日、源博雅(染谷将太)に、
陰陽師の実力を買われ、
皇族の子女(奈緒)を襲う、
怪異現象の解決を依頼される。
身分社会の頂点位にいる貴族と、
晴明は度々衝突しながらも、
案件を解決する一方で、
その裏では、巧妙な陰謀を企てる、
何者かの策略によって、
都の人々を巻き込む、
大きなが災厄が動き出す・・。
無数の真実が入り乱れる中、
安倍晴明が、呪術を駆使して、
その陰謀に対峙し、
自身の生い立ちの謎にも迫る!。
夢枕獏の代表作『陰陽師』シリーズを、
『アンフェア』の、佐藤嗣麻子監督が映画化。
若き日の晴明を演じる主演は、山崎賢人。
共演は染谷将太、奈緒、安藤政信、村上虹郎、
板垣李光人、北村一輝、小林薫ら。
『ゴジラ-1.0』でも活躍し、ハリウッドを凌ぐ、
日本の特撮CGのクォリィティーの高さを、
世界にしら染めた、白組によるCGが凄い!。
特に、花が咲くシーンは秀逸で、
フレームに入っていない場所でも、
ポツポツ静かに咲き乱れている様子が幻想的で、
さすが、女性監督ならではの、
細やかで丁寧な演出!。
アニメの『犬王』でもやっていた、
呪術を使って、権力を都合よく操ろうとする、
身勝手な陰謀は、今の世の中でも、
似たような事やっていますね。
コロナも、ある意味「呪い(しゅ)」
みたいなもので、
室町時代、平安時代の疫病や、
鎌倉時代の元寇なども、
日本が危機的な災いに襲われたときに、
政治や治安も悪くなり、都市のシステムも、
乱れて機能しなくなる。
疫病が蔓延して、インフラとか衛生環境を、
科学的に検証しなくてはならない、大事な時期に、
”魔女狩り”とか、”人柱”とか、大体の世の中は、
オカルトや、陰謀論に走っちゃう。
なんか、現代の世情にも似ていて、
大昔のお話だと言って笑っていられない。
フェイクニュースを流したり、
ネットで、嘘の噂を流したり、
誹謗中傷して、相手をこき下ろす、
情報という「呪」を放つ。
また、人事とかマッチングアプリとか、
重要な事を、手っ取り早く、
AIや機械に任せちゃったり、
面倒くさいからと言って、
自分お頭で考えて判断しないと、
人や物から指示してもらわないと、
何もできない人間になっちゃうよ!。
コロナの頃も、”マスク警察”や、
「東京ナンバー」の車を拒絶したり、
「ワクチンを射たないヤツは悪」
なんて言ってた人が、
手の平返しちゃってる・・。
都合よく何でも「呪い(しゅ)」のせいにしている。
コロナの3年間にあった出来事を、
ちゃんと思い出して、どこかで検証しないと・・。
「呪う」という言葉は、「祝詞(のりと)」と、
「狼煙(のろし)」と、語源は同じで、
「宣(の)る」に「ふ」が接続したものです。
「おましない」=「呪う(まじなう)」
って書きますよね。
亡くなった人や、動物や神霊がなす呪いを、
「祟り」と言って、呼び分けますよね。
この映画に出てきた「呪詛」とは、
相手に災いが起きるように、
仕向けて呪う事を指し、
この時代では、盛んに行っていました。
「なまなり」なんて、今でもやってるか・・。
誰かを呪い殺すといった
怖い話は尽きないですね。
でも、自らの願いを成就させる為の、
「おまじない」もまた「呪い」。
祈ったり、呪ったりする動物は、
基本、人間だけ!。
病気の全快や、試験の合格など、
良い事に使わなきゃ!。
しかし、この映画のキャストは、
國村隼さんや、小林薫さんなど、
みなさん声が良い人ばかり!。
嶋田久作さんも・・あっ!、
この人m『帝都大戦』の主役でしたね。
あれは、荒俣さの作品でした・・(笑。
それと、さすが『ウッジョブ』染谷くん!、
表情と演技が、とても「グッジョブ」で、
素晴らしい!。
キャストやスタッフの雰囲気も良くて、
続編が楽しみです!。